2014年07月29日
バリーの新作バッグBLOOMが登場
1851年、スイスのシエネレベルト(シェーネンヴェル)でカール・フランツ・バリー(Carl Franz Bally)が創業。当時はリボンメーカーだった。(ゴム製リボンとサスペンダーの製造業を引き継ぐ)
今回登場した新作バッグ「BLOOM」が2サイズ、3素材、最大6色の豊富な種類で発売中。これらのバッグは、新デザイン・ディレクターであるパブロ・コッポラによるもの。「BLOOM」という名前は、バッグル付きのサイドが花びらのように開くダッフルシェイプから名づけられた。スイスの3つの山頂を表したバリーの新しいモチーフが、持ち手の近くに控えめにエンボス加工されている。
今回登場した新作バッグ「BLOOM」が2サイズ、3素材、最大6色の豊富な種類で発売中。これらのバッグは、新デザイン・ディレクターであるパブロ・コッポラによるもの。「BLOOM」という名前は、バッグル付きのサイドが花びらのように開くダッフルシェイプから名づけられた。スイスの3つの山頂を表したバリーの新しいモチーフが、持ち手の近くに控えめにエンボス加工されている。

Posted by aidokisi02
at 15:53
2014年05月14日
上品なルイヴィトンバッグ
ルイ・ヴィトン ショルダーバッグ
ルイ・ヴィトンの中で比較的最近誕生したのが、『ダミエ・アズール』。アズールとは青という意味で、イタリアと海を元にしてデザインされた海と砂を表す爽やかなデザインです。フェミニンなプリーツを施した「シラクーサ」。内ポケット×3、 内側にDリング(キーホルダーなどの取付け可)、底ビス付き
ファスナー式の大きく開く入り口。裏地はベージュで統一され爽やかな印象です。
牛革で出来た持ち手は、手に握りやすい仕様。
マチは約13cmあり、沢山の荷物を収納可能。ショルダーストラップを取り付けると2wayでご愛用頂けます。
ルイ・ヴィトンの中で比較的最近誕生したのが、『ダミエ・アズール』。アズールとは青という意味で、イタリアと海を元にしてデザインされた海と砂を表す爽やかなデザインです。フェミニンなプリーツを施した「シラクーサ」。内ポケット×3、 内側にDリング(キーホルダーなどの取付け可)、底ビス付き
ファスナー式の大きく開く入り口。裏地はベージュで統一され爽やかな印象です。
牛革で出来た持ち手は、手に握りやすい仕様。
マチは約13cmあり、沢山の荷物を収納可能。ショルダーストラップを取り付けると2wayでご愛用頂けます。
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at 11:39
2014年02月08日
『ローマの休日』などのヒロインメイクを再現
パルファム ジバンシイの限定コスメキットは『ローマの休日』などのヒロインメイクを再現。『マイヤーリング』からは、貴族の少女のように、クラシカルで華やかなエレガントルック。目元には、グレーのクリームアイシャドウをのせて、洗練された印象に。真紅のリップがつくる、鮮やかで女性らしい唇が、美しく仕上げた肌を引き立てる。品のあるかわいらしさを表現するキュートルックは、『麗しのサブリナ』から。カジュアルで軽やかな女性の柔らかな表情をイメージしている。色味を少し抑えた目元は、ピンクのクリームアイシャドウをオン。口元は明るいピンクのリップで、愛らしさと気品を持ち合わせた仕上がりに。『ローマの休日』にインスパイアされたのは、自然で女性らしいフェミニンルック。肌なじみの良いピンクベージュのリップと、繊細なパールの入ったベージュのクリームアイシャドウが、作り込み過ぎないナチュラル感を生み出す。
Posted by aidokisi02
at 15:48
2014年01月14日
鍵はセットアップとハイブリッド
ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood MAN)は現在、化粧品などのコスメ商品、財布、バッグ、ネックレス、ピアス、リングなどのアクセサリー展開などを展開。アクセサリー類は持ち味のアバンギャルドなデザインに可愛らしさを加えて、20代の女性を中心に人気を得ています。2014年1月12日(日)、2014-15年秋冬コレクションをイタリア・ミラノで発表した。ヴィヴィアンといえば常にイギリスという国に対して左側のスタンスを貫いてきた人である。今回もプレスリリースで、政府が推進する薬品注入・水圧破砕採掘によるシェルガスの採掘に異議を唱えている。ショーの中盤で、ボタンの位置が右にズレているマキシマムチェックのスーツが出てくるのだが、国民が右傾化していること、分かりやすく言うと「政府・メディアの情報を疑わずに鵜呑みにしていること」に警笛を鳴らしているように思えた。
Posted by aidokisi02
at 12:27
2014年01月06日
アディダス史上最も売れた不朽の名作
アディダスの由来はアドルフの愛称「アディ」と「ダスラー」をつなげたもの。2001年、ストリートスポーツウエアブランド「adidas Originals (アディダス オリジナルス)」をスタート。1972年から1996年まで「adidas社」のカンパニーロゴだったトレフォイルロゴ(三つ葉のロゴ)をシンボルマークとし、アスリートのために開発された復刻商品から、現在のトレンドを反映させた新作モデルやコラボレーション商品まで、幅広いアイテムを展開している。米国人テニスプレイヤー、スタンスミスの偉業をたたえ、テニスシューズとして誕生したスタンスミス。発売から40年が経った今でもその人気は衰えず、シュータンの上のスタンスミスの満足げな笑顔がその変わらない英名を象徴しているかのよう。白を基調とした、柔らかく清潔感のあるシューズは3連の通気穴で機能性もしっかりと確保している。
私のブログhttp://aidokisi02.amamin.jp/へようこそ!
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Posted by aidokisi02
at 11:47
2014年01月02日
エレガントでありながら、コレクションは楽しげな要素も漂わせる
2014年春夏のレ・コパン(Les Copains)はオフホワイト、ブラック、ライトベージュといった落ち着いたトーンに、時折見られるオレンジが、明るい表情をプラス。絵画を思わせる黒の模様も、フェミニンなコーディネートのアクセントに。エレガントでありながら、コレクションは楽しげな要素も漂わせる。画家ジョージア・オキーフの作品からインスパイアされた、大きな赤いケシの花はニットウェアで表現。小花の刺繍は、軽やかなオーガンザのペチコートに散りばめられ、大きなフローラルプリントと調和する。ニットウェア製品の熟練の技術により、アイテム一つひとつが、クチュールのような仕上がりに。ざっくりとしたアシンメトリーなトップス、ローゲージのVネック、繊細な薄手ニットなど、様々な表情を見せるニットは、どれも上品な印象を残している。
Posted by aidokisi02
at 11:30
2013年12月30日
高級感あふれるサングラス
フェリージならではの個性やこだわりをすべてに行き渡らせた“タイムレス”なアイウェア。フレームを型から起こしたオリジナルデザイン、パターンやロゴの彫刻には特殊なレザー彫の技術を採用し、極限まで浅く掘ることで高級感を醸し出している。サングラスはウェリントン型やスクエア型など異なる表情のサングラスが展開。また別売りのサングラスケースのデザインは、バッグブランドならではの技術の高さを見て取ることが出来る。古きものは美しきかな-この精神をもとに、オトナだけが享受できる、デザイン、クオリティのプロダクト・ラインを作り続ける。それがフェリージであることです。
Posted by aidokisi02
at 12:09
2013年12月27日
フェミニンで軽やかな香り
フェミニンで軽やかな印象のオー フレッシュは、まるでパリを散策するかのような優しい気分にしてくれる。パヒューマー、ミッシェル・アルメラック(ロベルテ)が生み出したこの新フレグランスは、あふれるようなモダンな魅力を大胆に表現。ジャンクラウドエレナの調香の特徴である、トランスペアレンシー(透明感)が自然の光を、ミストのように柔らかな香り立ちが空気感を、そして調合香料の巧みによる水の質感が、光・空気・水という自然の情景に欠かせない要素を創出し、類まれな美しい情景を香りに込めることに成功した。ウォーターヒヤシンスのトップノートに、アップルブロッサムとジャスミンが溶け合い、洗練されたベチバーのベースノートが存在感と個性を漂わせる。みずみずしさを湛えて咲き誇る花々を思わせる、ロマンティックで軽やかなフレッシュフローラルの香りとなっている。
Posted by aidokisi02
at 11:41
2013年12月24日
見る者の視 界を覆い尽くさんばかりの水玉模様のモチーフを使うことが特徴
1929年に長野県松本市で誕生した草間彌生は、10歳の頃から水玉と網模様をモチーフにした絵画を制作。絵画の画面や彫刻の表面のみならず、見る者の視 界を覆い尽くさんばかりの水玉模様のモチーフを使うことが特徴。合わせ鏡を用いて光やオブジェを無限に広がるように見せるインスタレーションや、男根状の オブジェを日用品などに張り付ける立体作品も制作している。カボチャをモチーフにした作品も、しばしば見られる。美術作品のほか小説や詩集も発表しており、93年の第45回ベネチア・ビエンナーレでは代表作家として日本館初の個展を行った。2009年には文化功労者 に選定され、その後は「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」など様々なブランドとのコラボレーションも手がけている。
Posted by aidokisi02
at 17:05
2011年07月05日
瞬間だろうか
もう会えないと思っていた紫苑が再び俺の前に現れるまで。
その出来事ひとつで俺は前に進めるようになった。
あの頃に言えずにいた好きという言葉を心の奥底で封じ込めていた。
それを彼女の存在に触れ合うことで解放できた。
今の俺は昔の俺とは違う。
あの頃の俺は弱く、痛みや現実から逃げるしか出来なかった。
それは紫苑も同じなんだろう。
俺達はよく似ているから。
互いに素直になれず、悩みがあれば心に抱え込んでばかりいた。
そういう生き方が似ているから、俺は紫苑に惹かれたんだと思う。
「私はまだ海斗に話してない事がたくさんあるの」
俺は紫苑のことをほとんど知らない。
かつて抱えていた悩みすら、俺は漠然としか把握していない。
「海斗は知りたい?私のことを知りたいと思う?」
「出来る事なら知っておきたい。お前の悩みも、辛さも全部知りたいと思う」
俺が知っている事と言えば、かなりの地位を持つお金持ちの家柄、経済界にだって影響力のある白銀グループの会長の孫娘である白銀紫苑は“お嬢様”だということだけ。
他には何も知らない、それが彼女の過去と関係しているのかも定かではない。
「……飛べない蝶々に生きてる意味はない。昔の紫苑はそう言っていた。それはお前の過去とどう結びつくのか、俺は今も知らない」
「そうね、海斗には教えてなかった。私の方は海斗の抱えた悩みを知っていたのに、私は貴方に教えずにいた。そんなずるくて、アンフェアな私でも海斗は傍にいてくれたわ」
「いつかお前の口から話してくれる日が来るんじゃないかって思っていた」
俺の言葉に彼女は囁くように言ったんだ。
「ごめんね、私はいつも海斗に甘えているのに。貴方がいてくれたから、私は飛べなくても幸せだった。それでも私は海斗に隠してばかりいるの……」
薄っすらと紫苑の瞳に涙が見えた気がした。
俺がこれまで彼女に尋ねられなかったのには理由がある。
それは俺のように単純な悩みではなく、抱えているモノが複雑だと気づいてたから。
どうしても自然に話してくれるまで待つしかなかった。
無理に聞けば何もかもが壊れて、消えてしまう気がして。
そして、現実にあの夜……俺はそれに触れてしまったんだ。
『紫苑、教えてくれ。お前の悩みって何なんだ?』
尋ねても言葉を濁すだけで、紫苑は何も言わなかった。
その翌朝、彼女は俺の世界からいなくなってしまった。
俺はその質問のせいで彼女が消えてしまったんじゃないかと思っていた時期もあった。
事実は違うのかもしれない、真実を知りたい気持ちはもちろんある。
だけど、俺は踏み込めない……もう2度と紫苑を失いたくはないから。
「……まだ言えないの。ごめんなさい……海斗を信頼しているのに、私は貴方が好きなのに。だから言えない。逃げてばかりしかできなくて、私は……」
「もういいから、何も言わないでいい。紫苑、俺はお前を責めていない。言えない理由があるなら俺は聞かない。お前はお前自身でその問題を乗り越えるんだ。その後で話してくれ。それまで待っていてやるからさ」
俺もそうだ、逃げ続けている過去がある。
それを乗り越えてない以上、お互いに無理に解決する必要はない。
焦らずにゆっくりと向き合う事の方が大切だ。
「……ありがとう、海斗。愛してるわ、貴方だけしか私は愛せないもの」
俺達はそのまま恋人同士のキスをする。
舌を絡ませあいながら、俺は彼女の白い肌に手を添えた。
今も昔も変わらないことがあるとすれば……彼女の体温を感じている瞬間だろうか。
心が温かくなるように、本当に安心できて心地よい気持ちになれる。
「……あっ……やぁっ……」
ベッドに身体を沈ませる紫苑の瞳はいつにも増して優しさに満ちていた。
その瞳の奥には彼女が普段見せないでいる、もう一人の彼女がいる気がした。
だとしたら、俺はまだ……“本当”の紫苑と触れ合っていないのかもしれない。
その出来事ひとつで俺は前に進めるようになった。
あの頃に言えずにいた好きという言葉を心の奥底で封じ込めていた。
それを彼女の存在に触れ合うことで解放できた。
今の俺は昔の俺とは違う。
あの頃の俺は弱く、痛みや現実から逃げるしか出来なかった。
それは紫苑も同じなんだろう。
俺達はよく似ているから。
互いに素直になれず、悩みがあれば心に抱え込んでばかりいた。
そういう生き方が似ているから、俺は紫苑に惹かれたんだと思う。
「私はまだ海斗に話してない事がたくさんあるの」
俺は紫苑のことをほとんど知らない。
かつて抱えていた悩みすら、俺は漠然としか把握していない。
「海斗は知りたい?私のことを知りたいと思う?」
「出来る事なら知っておきたい。お前の悩みも、辛さも全部知りたいと思う」
俺が知っている事と言えば、かなりの地位を持つお金持ちの家柄、経済界にだって影響力のある白銀グループの会長の孫娘である白銀紫苑は“お嬢様”だということだけ。
他には何も知らない、それが彼女の過去と関係しているのかも定かではない。
「……飛べない蝶々に生きてる意味はない。昔の紫苑はそう言っていた。それはお前の過去とどう結びつくのか、俺は今も知らない」
「そうね、海斗には教えてなかった。私の方は海斗の抱えた悩みを知っていたのに、私は貴方に教えずにいた。そんなずるくて、アンフェアな私でも海斗は傍にいてくれたわ」
「いつかお前の口から話してくれる日が来るんじゃないかって思っていた」
俺の言葉に彼女は囁くように言ったんだ。
「ごめんね、私はいつも海斗に甘えているのに。貴方がいてくれたから、私は飛べなくても幸せだった。それでも私は海斗に隠してばかりいるの……」
薄っすらと紫苑の瞳に涙が見えた気がした。
俺がこれまで彼女に尋ねられなかったのには理由がある。
それは俺のように単純な悩みではなく、抱えているモノが複雑だと気づいてたから。
どうしても自然に話してくれるまで待つしかなかった。
無理に聞けば何もかもが壊れて、消えてしまう気がして。
そして、現実にあの夜……俺はそれに触れてしまったんだ。
『紫苑、教えてくれ。お前の悩みって何なんだ?』
尋ねても言葉を濁すだけで、紫苑は何も言わなかった。
その翌朝、彼女は俺の世界からいなくなってしまった。
俺はその質問のせいで彼女が消えてしまったんじゃないかと思っていた時期もあった。
事実は違うのかもしれない、真実を知りたい気持ちはもちろんある。
だけど、俺は踏み込めない……もう2度と紫苑を失いたくはないから。
「……まだ言えないの。ごめんなさい……海斗を信頼しているのに、私は貴方が好きなのに。だから言えない。逃げてばかりしかできなくて、私は……」
「もういいから、何も言わないでいい。紫苑、俺はお前を責めていない。言えない理由があるなら俺は聞かない。お前はお前自身でその問題を乗り越えるんだ。その後で話してくれ。それまで待っていてやるからさ」
俺もそうだ、逃げ続けている過去がある。
それを乗り越えてない以上、お互いに無理に解決する必要はない。
焦らずにゆっくりと向き合う事の方が大切だ。
「……ありがとう、海斗。愛してるわ、貴方だけしか私は愛せないもの」
俺達はそのまま恋人同士のキスをする。
舌を絡ませあいながら、俺は彼女の白い肌に手を添えた。
今も昔も変わらないことがあるとすれば……彼女の体温を感じている瞬間だろうか。
心が温かくなるように、本当に安心できて心地よい気持ちになれる。
「……あっ……やぁっ……」
ベッドに身体を沈ませる紫苑の瞳はいつにも増して優しさに満ちていた。
その瞳の奥には彼女が普段見せないでいる、もう一人の彼女がいる気がした。
だとしたら、俺はまだ……“本当”の紫苑と触れ合っていないのかもしれない。
Posted by aidokisi02
at 18:05
2010年10月25日
叫び
僕は、空を仰ぐ。
懸命に目を凝らしたけれど、そこには漆黒の空が広がるばかりで。
ピンと羽を広げた翼果を見つけることは、出来なかった。
立ち去りがたくて・・。
もう一度、彼女を振りかえる。
彼女は、まっすぐ前を見ていた。
しっかりと顔を上げて、自信に満ちた横顔を見せていた。
その後ろのテーブルには、カシスレッドの箱があった。
何度も逡巡して、結局渡せなくて・・。
でもどうしても贈りたくて、そこに置いてきた。
僕は、スーツの上から胸をおさえた。
右手で、かえでの葉をギュッと抱いた。
銀に彫りこまれた紫苑の花が、貴女の道しるべになってくれると信じたい。
それを掴んだら、どうか離さないで。
僕を、見失わないで。
貴女の心を、見失わないで。
降りがけに、運転手から「大丈夫ですか?」と声を掛けられた。
なぜ、そんな事を言うのか分からない。
今夜は一滴も飲んでいないのだから、酔っている筈はないのに。
でも、こんな時間にタクシーを利用する人間の99%は 間違いなく酒を飲んでいるだろうから・・
そうやって声を掛けるのが義務付けられているのかも知れない。
こんな時間・・?
いったい、今、何時になるんだろう。
時計を見た。
時間を確かめて。驚いて。
思わず声を上げて笑った。
と言っても、喉がかさついて声は出なかった。
代わりに、深いため息だけが漏れた。
部屋は真っ暗だった。
明かりをつけた。
が、何となく嫌で、すぐに明かりを消した。
暗がりのなかを歩いて、デスクのスタンドを灯した。
これで充分だ。
デスクの脇に鞄を置いて、椅子の背に上着を掛け、寝室へ向かった。
窓から差し込む外灯の明かりが、ベッドを照らしていた。
今朝おろしたばかりの真新しいシーツが、青白い光を放つ。
また笑う。声は出ない。だが、笑った。
今朝、ふと思い立ってシーツを交換した。
真っ白なシーツを張って、ブランケットを整えて・・。
これじゃ丁寧すぎて却って不自然に思われるんじゃないかと苦笑したり・・。
それが、今朝のことだ。
―― 不自然に思われる・・って? 誰に?
笑ってみた。やっぱり、声は出なかった。
ベッドの端に立ち、シーツの片側をグイと引っ張った。
むき出しになったマットレスの上に、仰向けに倒れこんだ。
柔らかい布が頬を叩いた。
それをつまみ上げる。 オレンジと紺色のネクタイだった。
倒れこんだときと変わらぬ勢いで、ベッドから起き上がった。
引きちぎるようにしてネクタイを外し、それをベッドの上に投げた。
窓の明かりが、オレンジを鮮やかに照らす。
またネクタイを掴んだ。
右手にネクタイをぶら提げたまま寝室を出た。
デスクの下からゴミ箱を引きずり出して、その中にネクタイを落とした。
笑おうとした・・が、止めた。
シャツの釦を外し、ズボンを床に転がして、
そうやって身に付けているモノを全て脱ぎ捨てながらバスルームへ行った。
小さなバスタブに足を踏み入れて、コックを捻った。
流れ落ちてくる飛沫を頭から浴びる。
湯が冷たいのか、それとも自分の体が熱いのか。
自分の体が冷え切っているのか、それとも湯が熱すぎるのか。
全く分からなかった。
懸命に目を凝らしたけれど、そこには漆黒の空が広がるばかりで。
ピンと羽を広げた翼果を見つけることは、出来なかった。
立ち去りがたくて・・。
もう一度、彼女を振りかえる。
彼女は、まっすぐ前を見ていた。
しっかりと顔を上げて、自信に満ちた横顔を見せていた。
その後ろのテーブルには、カシスレッドの箱があった。
何度も逡巡して、結局渡せなくて・・。
でもどうしても贈りたくて、そこに置いてきた。
僕は、スーツの上から胸をおさえた。
右手で、かえでの葉をギュッと抱いた。
銀に彫りこまれた紫苑の花が、貴女の道しるべになってくれると信じたい。
それを掴んだら、どうか離さないで。
僕を、見失わないで。
貴女の心を、見失わないで。
降りがけに、運転手から「大丈夫ですか?」と声を掛けられた。
なぜ、そんな事を言うのか分からない。
今夜は一滴も飲んでいないのだから、酔っている筈はないのに。
でも、こんな時間にタクシーを利用する人間の99%は 間違いなく酒を飲んでいるだろうから・・
そうやって声を掛けるのが義務付けられているのかも知れない。
こんな時間・・?
いったい、今、何時になるんだろう。
時計を見た。
時間を確かめて。驚いて。
思わず声を上げて笑った。
と言っても、喉がかさついて声は出なかった。
代わりに、深いため息だけが漏れた。
部屋は真っ暗だった。
明かりをつけた。
が、何となく嫌で、すぐに明かりを消した。
暗がりのなかを歩いて、デスクのスタンドを灯した。
これで充分だ。
デスクの脇に鞄を置いて、椅子の背に上着を掛け、寝室へ向かった。
窓から差し込む外灯の明かりが、ベッドを照らしていた。
今朝おろしたばかりの真新しいシーツが、青白い光を放つ。
また笑う。声は出ない。だが、笑った。
今朝、ふと思い立ってシーツを交換した。
真っ白なシーツを張って、ブランケットを整えて・・。
これじゃ丁寧すぎて却って不自然に思われるんじゃないかと苦笑したり・・。
それが、今朝のことだ。
―― 不自然に思われる・・って? 誰に?
笑ってみた。やっぱり、声は出なかった。
ベッドの端に立ち、シーツの片側をグイと引っ張った。
むき出しになったマットレスの上に、仰向けに倒れこんだ。
柔らかい布が頬を叩いた。
それをつまみ上げる。 オレンジと紺色のネクタイだった。
倒れこんだときと変わらぬ勢いで、ベッドから起き上がった。
引きちぎるようにしてネクタイを外し、それをベッドの上に投げた。
窓の明かりが、オレンジを鮮やかに照らす。
またネクタイを掴んだ。
右手にネクタイをぶら提げたまま寝室を出た。
デスクの下からゴミ箱を引きずり出して、その中にネクタイを落とした。
笑おうとした・・が、止めた。
シャツの釦を外し、ズボンを床に転がして、
そうやって身に付けているモノを全て脱ぎ捨てながらバスルームへ行った。
小さなバスタブに足を踏み入れて、コックを捻った。
流れ落ちてくる飛沫を頭から浴びる。
湯が冷たいのか、それとも自分の体が熱いのか。
自分の体が冷え切っているのか、それとも湯が熱すぎるのか。
全く分からなかった。